基礎公開 2026-09-20スワアビラボ編集部

広告のスプレッドは、実際に何%の時間その値以下だったのか — 会社が公表している実績の読み方

FXの広告に出ているスプレッドは「原則固定」と書かれていることが多いですが、実際にその値以下だった時間の割合を、会社自身が数字で公表しています。当サイトはその公表ページを毎日取得しており、通貨ペアごとの提示率・実際に提示した最大値・価格の提示が止まっていた時間を表にしました。提示率が100%に届かない理由は1つではありません。会社が公表している計算式を読むと、広告の値より広かった時間と、配信が止まっていた時間の2つが混ざっていることが分かります。広告の値と最大値を比べてよい区分と、比べられない区分の違い、この数字で言えないこと、当サイトが他社の同じ開示を数値にできていない理由まで書いています。

FXの広告に出ているスプレッドは、常にその値というわけではありません。GMOクリック証券が2026-09-18に公表した実績を、 当サイトが読んで表にしました (集計期間 2026-08-17〜2026-09-13)。 広告に出している値以下だった時間の割合(提示率)が100%に届いた区分は0区分でした。 数えたのは24の通貨ペア×3つの区分=72区分のうち70区分です (集計期間の途中で広告の値が変わった区分は外しました)。 いちばん低い区分で98.79%、 高い順に並べた真ん中で99.94%です。 ここに出す数字はすべてその会社が自分で公表したもので、 当サイトが測った値ではありません。

「提示率」は何を数えた割合なのか

提示率は、広告に出した値「以下」だった時間の割合です。 広告の値ちょうどだった割合ではありません。 会社のページには、この割合の計算式も書かれています。

  • 分母=「集計期間において、スプレッド広告を行った日の取引可能な時間の合計」
  • 分子=「集計期間中の取引可能な時間 (配信停止時間を除く)のうち、提示した値が広告の値以下だった時間の合計」

この2つは、配信が止まっていた時間の扱いが違います。 分子からは除かれていますが、分母からは除かれていません。 そのため、価格の提示が止まった時間があると、 広告の値を一度も超えていなくても100%には届きません。 この記事の「100%に届かなかった」には、その分も入っています。

なお、この式をそのまま当てはめられるのは、 通貨ペアごとに1つだけ公表されている「取引可能な時間帯」(終日)の提示率です。 時間帯を区切った「広告適用時間①」「広告適用時間②」の区分は、 割り算の分母が何なのか書かれていません。 当サイトはそこを推測せず、その時間帯の中での割合として扱っています。

なぜ100%に届かないのか

届かなかった分には、広告の値より広かった時間価格の提示が止まっていた時間の2つが混ざっています。 どちらが主なのかは、通貨ペアによって大きく違います。

たとえばAUD/NZDの「取引可能な時間帯」(終日)の区分は、 提示率が99.77%で、届かなかったのは0.23%です。 この区分は、配信が止まっていた時間が3483秒(約58分)ありました。 集計期間の取引可能な時間で割ると0.2033%です。 つまり、届かなかった0.23%のうち0.2033%は止まっていた時間です。 届かなかった分の88%以上にあたります。

一方、USD/JPYの「広告適用時間①」(午前9:00~翌午前3:00)の区分は、 提示率が99.63%で、届かなかったのは0.37%です。 止まっていた時間は15秒しかありません。 こちらは、届かなかった分のほとんどが「広告の値より広かった時間」です。

いま書いた割り算は、当サイトがしたものです。会社が公表しているのは提示率(%)と配信停止時間(秒)の2つで、 この2つを結びつけた割合は公表されていません。

割り算の分母に使ったのは、当サイトが次のように置いた時間です。

2026-08-17〜2026-09-13 の 28 日(4.00 週)× 週 119 時間(月曜午前7時〜土曜午前6時・米国夏時間)。取引可能な時間をすべて広告していたと置いた上限なので、これで割った停止の割合は下限になる。

取引可能な時間をすべて広告に使っていたと置いているので、 ここで出る「止まっていた分の割合」は下限です。

広告の値と実際の最大値は、何倍ちがったのか

同じページにはスプレッド最大値も出ています。 集計期間に実際に提示した値のうち、最も大きかったものです。 広告の値と並べれば差は見えますが、並べてよいのは時間帯がそろっている区分だけです。

「取引可能な時間帯」(終日)の区分は、広告の値が2つ(昼の時間帯と早朝の時間帯)書かれているのに、 最大値は1つしかありません。 その最大値がどちらの時間帯で出たものかは書かれていません。 片方の広告の値で割ると、実際には起きていない差を出すことになります。 当サイトはこの区分では倍率を出していません。

時間帯がそろっていて倍率を出せたのは47区分です。 実際の最大値が広告の値の何倍だったかは、 大きい順に並べた真ん中で4.21倍、 いちばん大きい区分で73倍でした。

いちばん大きかったのはUSD/JPYの「広告適用時間①」(午前9:00~翌午前3:00)の区分です。 広告0.2銭に対して、実際の最大値は14.6銭でした。 ただし、同じ区分の提示率は99.63%です。 倍率は「どれだけ広がったか」、提示率は「どれだけの時間そうだったか」を表します。この2つは別のことなので、一緒に読む必要があります。

なぜ広がるのか、なぜ止まるのか(会社の説明)

同じページには、別々の見出しで2つの説明が書かれています。

1つは「配信停止の理由」です。 挙げられているのは、カバーレート(会社が価格の元にしているレート)の配信が止まったことです。

もう1つは「提示スプレッドが広告と異なることになった要因等」です。 要因として、次が挙げられています。

  • 市場の流動性が下がったとき
  • 経済指標の発表で相場が急に動いたとき
  • 要人の発言で相場が急に動いたとき
  • 政治や経済のできごとをめぐる観測や結果で相場が急に動いたとき

見出しが別なので、「経済指標の発表で配信が止まった」とは読めません。 この記事でも、2つを分けて書いています。

広告適用時間①(午前9:00~翌午前3:00)

ここから下の3つの表は、会社が公表している区分をそのまま並べたものです。 見出しの「広告適用時間①/②」「取引可能な時間帯」は、会社のページで使われている区分名です。 「倍率」の列は、実際の最大値を広告の値で割った値で、当サイトの計算です。 並びは3つとも通貨ペア名の文字順で、広い順・狭い順ではありません。

通貨ペア広告の値実際の最大値倍率提示率配信が止まった時間
AUD/JPY0.5銭15.3銭30.6倍99.94%15秒
AUD/NZD0.8pips12.2pips15.25倍99.97%17秒
AUD/USD0.4pips8pips20倍99.97%15秒
CAD/JPY0.6銭14.8銭24.67倍99.96%13秒
CHF/JPY0.8銭30銭37.5倍99.9%13秒
CZK/JPY0.2銭2銭10倍99.98%13秒
EUR/AUD1.5pips25.9pips17.27倍99.94%17秒
EUR/CHF1.6pips14.1pips8.81倍99.96%15秒
EUR/GBP1pips8pips8倍99.96%26秒
EUR/JPY0.4銭9.8銭24.5倍99.85%15秒
EUR/USD0.3pips5pips16.67倍99.96%15秒
GBP/AUD1.5pips34.6pips23.07倍99.94%26秒
GBP/CHF2.8pips28pips10倍99.96%24秒
GBP/JPY0.9銭30銭33.33倍99.94%24秒
GBP/USD1pips8pips8倍99.97%24秒
HUF/JPY0.6銭0.6銭1倍99.99%13秒
NZD/JPY0.7銭19.4銭27.71倍99.96%15秒
NZD/USD1.6pips5.9pips3.69倍99.97%15秒
PLN/JPY2.8銭15銭5.36倍99.99%13秒
TRY/JPY1.4銭3.9銭2.79倍99.97%13秒
USD/CHF1.6pips14.6pips9.12倍99.97%13秒
USD/JPY0.2銭14.6銭73倍99.63%15秒
ZAR/JPY0.9銭4.6銭5.11倍99.98%13秒

広告適用時間②(午前3:00~午前9:00)

通貨ペア広告の値実際の最大値倍率提示率配信が止まった時間
AUD/JPY8.8銭20銭2.27倍99.6%114秒
AUD/NZD20pips20pips1倍99.16%3467秒
AUD/USD5.8pips18.2pips3.14倍99.74%62秒
CAD/JPY7.9銭26.7銭3.38倍99.94%137秒
CHF/JPY30銭50銭1.67倍99.95%153秒
CZK/JPY2銭2銭1倍99.99%41秒
EUR/AUD10pips50.8pips5.08倍99.18%66秒
EUR/CHF10pips30pips3倍99.98%60秒
EUR/GBP9.9pips26.8pips2.71倍99.75%60秒
EUR/JPY9.8銭20銭2.04倍98.79%416秒
EUR/USD3.8pips16pips4.21倍99.06%41秒
GBP/AUD30pips70pips2.33倍99.97%95秒
GBP/CHF12pips50pips4.17倍99.92%240秒
GBP/JPY14.8銭30銭2.03倍99.16%168秒
GBP/USD9.8pips25pips2.55倍99.32%44秒
HUF/JPY1.5銭1.5銭1倍99.98%55秒
MXN/JPY0.7銭5.2銭7.43倍99.93%42秒
NZD/JPY11.8銭30銭2.54倍98.85%596秒
NZD/USD9.9pips25pips2.53倍98.89%431秒
PLN/JPY15銭15銭1倍99.99%41秒
TRY/JPY3.9銭3.9銭1倍99.74%1065秒
USD/CHF10pips30pips3倍99.97%45秒
USD/JPY3.8銭16銭4.21倍99.9%140秒
ZAR/JPY2銭8銭4倍99.97%42秒

取引可能な時間帯(終日)

この区分は広告の値が2つ書かれているため、倍率の列がありません。 理由は「広告の値と実際の最大値は、何倍ちがったのか」に書いたとおりです。

通貨ペア広告の値(2つの時間帯)実際の最大値提示率配信が止まった時間
AUD/JPY0.5銭 / 8.8銭20銭99.86%129秒
AUD/NZD0.8pips / 20.0pips20pips99.77%3483秒
AUD/USD0.4pips / 5.8pips18.2pips99.91%77秒
CAD/JPY0.6銭 / 7.9銭26.7銭99.96%150秒
CHF/JPY0.8銭 / 30.0銭50銭99.91%166秒
CZK/JPY0.2銭 / 2.0銭2銭99.98%54秒
EUR/AUD1.5pips / 10.0pips50.8pips99.76%82秒
EUR/CHF1.6pips / 10.0pips30pips99.97%75秒
EUR/GBP1.0pips / 9.9pips26.8pips99.91%85秒
EUR/JPY0.4銭 / 9.8銭20銭99.59%430秒
EUR/USD0.3pips / 3.8pips16pips99.74%55秒
GBP/AUD1.5pips / 30.0pips70pips99.95%120秒
GBP/CHF2.8pips / 12.0pips50pips99.95%264秒
GBP/JPY0.9銭 / 14.8銭30銭99.75%191秒
GBP/USD1.0pips / 9.8pips25pips99.81%67秒
HUF/JPY0.6銭 / 1.5銭1.5銭99.99%68秒
NZD/JPY0.7銭 / 11.8銭30銭99.69%611秒
NZD/USD1.6pips / 9.9pips25pips99.71%446秒
PLN/JPY2.8銭 / 15.0銭15銭99.99%54秒
TRY/JPY1.4銭 / 3.9銭3.9銭99.92%1078秒
USD/CHF1.6pips / 10.0pips30pips99.97%57秒
USD/JPY0.2銭 / 3.8銭16銭99.7%153秒
ZAR/JPY0.9銭 / 2.0銭8銭99.97%55秒

この数え方で言えないこと

  • 当サイトが測った値ではありません。会社が集計期間について公表した実績を読んで表にしただけです。 当サイトが毎営業日記録しているのはスワップポイントと為替レートで、 この記事の数字はそれとは別のものです。
  • 1社ぶんです。会社どうしを比べる材料にはなりません。他社も同じ種類の開示をしていますが、当サイトは数値として取り込めていません (通貨ペアごとのPDFで公開している会社があり、その中身を読めていません。 集計期間をページから特定できないまま保存している会社もあります)。 「他社は公表していない」という意味ではありません。
  • 提示率が高い=有利、とは読めません。区切る時間帯も、集計期間も、広告に出している値そのものも会社ごとに違います。 値の狭さと提示率は別の話です。
  • 止まっていた分の割合は当サイトの計算で、下限です。割り算の下にあたる数字(広告を行った日の取引可能な時間の合計)は公表されていません。
  • 集計期間の途中で広告の値が変わった区分が2区分あり、 上の集計から外しています。期間の前半と後半で「広告の値以下」の意味が変わるためです。
  • 次の集計期間も同じ結果になるとは限りません。この数字は会社が月ごとに公表し直しているもので、当サイトはそのたびに取り直しています。

この記事の数字の出どころ

GMOクリック証券が公開している「提示スプレッド等に関する実績情報」 (https://www.click-sec.com/corp/guide/info/spread-performance/)です。 公開日は2026-09-18、集計期間は2026-08-17〜2026-09-13。 当サイトは毎日このページを取得して記録しています。 数え方は算出方法に書いています。

なお、当サイトの取り込みでは「配信停止の理由」と 「提示スプレッドが広告と異なることになった要因等」が1つにつながって保存されています。 この記事では、会社のページの見出しに戻して2つに分けています。

広告の時間帯の外でスプレッドが広がることがある点は、 当サイトの算出方法のページにも以前から書いています。 この記事が新しく出しているのは、広がるかどうかではなく、広告の値以下だった時間がどれくらいの割合だったかです。

取引そのものの費用が会社でどれだけ違うかはスプレッドは会社でどれだけ違うのか、 広告の時間帯の外で各社が公表している値については早朝のスプレッドはどれだけ広がるのかにあります。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。特定の取引の推奨・投資助言ではありません。 記事中のスワップポイント等の数値は、当サイトが自動で集めたデータ(基準日 2026-09-20)から、 ページを作り直すたびに入れ替えています。最新値は必ず各社公式サイトでご確認ください。
計算ツール損益分岐日数 計算ツール

記事で見た数値を自分の条件で確かめられます。往復スプレッド費用を1日あたりのスワップ差額で割った日数(=損益分岐日数)を、計算例として表示する無料ツールです。

よくある質問

スプレッドが「原則固定」と書かれているのに、広がることがあるのはなぜですか

「原則固定」は、決めた値をいつも出すという約束ではありません。GMOクリック証券が公表している実績では、広告に出している値以下だった時間の割合(提示率)が、数えた70区分すべてで100%に届きませんでした(いちばん低い区分で98.79%)。同じページには、価格の提示そのものが止まっていた時間と、広告と異なることになった要因も書かれています。要因として挙げられているのは、市場の流動性が下がったとき、経済指標の発表や要人の発言で相場が急に動いたときなどです。

提示率99.9%なら、残りの0.1%はどれくらいの時間ですか

この記事が扱っている集計期間(2026-08-17〜2026-09-13)の取引可能な時間をすべて足すと、当サイトの計算でおよそ476時間です。その0.1%は約29分にあたります。ただし、0.1%がまるごと「広告より広かった時間」とは限りません。会社の計算式では、価格の提示が止まっていた時間は分子から除かれますが、分母からは除かれていません。そのため、配信が止まっただけでも100%には届かなくなります。

この数字で会社を比べられますか

比べられません。当サイトが数値として表にできているのはGMOクリック証券の1社だけです。他社も同じ種類の開示をしていますが、当サイトの取り込みでは数値になっていません。通貨ペアごとのPDFで公開している会社があり、その中身を当サイトは読めていません。集計期間をページから特定できずに保存している会社もあります。「他社は公表していない」という意味ではありません。加えて、集計期間も、どの時間帯をどう区切るかも会社ごとに違います。数字をそのまま並べても、同じものを比べたことにはなりません。

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