基礎公開 2026-09-23スワアビラボ編集部

FXのロスカットは何%で執行されるのか — 10社の公式ページを読んだ記録

FXで強制決済(ロスカット)が実行される水準は、会社によって違います。当サイトが記録している10社の公式ページを同じ日に読み、それぞれが書いている執行の条件を会社名の五十音順に並べました。50%と書いている会社、100%と書いている会社、利用する人が水準を選べる会社、コースの選択で決まる会社があります。同じ割合でも呼び名(証拠金維持率・有効比率・リアルタイム維持率)と計算式が会社ごとに違うので、数字だけを並べて比べることはできません。設定を下げても判定の時間帯には別の条件が働く会社があること、ロスカット前の知らせや手数料の扱いが分かれることも書いています。記載を確認できなかった欄は「確認していない」と書いています——その機能が無いという意味ではありません。

FXで強制決済(ロスカット)が実行される水準は、会社によって20%から100%まで分かれていました(当サイトが記録している10社の公式ページを2026年9月23日に読んだ範囲です)。 50%と書いている会社が4社、100%と書いている会社が2社。利用する人が自分で水準を選ぶ会社が3社、コースの選択で決まる会社が1社です。 ただしこの20%や50%が「何を何で割った割合」なのかは、会社ごとに違います。 数字だけを並べて比べることはできません。

ロスカットは何%で執行されるのか

ロスカットは、損失がふくらんだときに、持っているポジションを会社が自動的に決済する仕組みです。 この記事に出てくる%は、どれも同じ形をしています。いま全部決済したら口座に残る金額を、そのポジションを持ち続けるために預けておく必要のある 金額で割った割合です。前者を各社は「純資産」「有効証拠金」などと呼び、後者を 「必要証拠金」「取引証拠金」などと呼びます。損失が増えると前者が減るので、この割合は下がります。 下がって会社の決めた線に触れると、決済が実行されます。

その線は法律で1つに決まってはおらず、会社が決めています。みんなのFXは自社のページで「FX会社のロスカットルールを比較すると、それぞれ違うことがわかります」と 書いており、会社側もこの違いを前提にしています。

この記事の数字は、各社の公式ページを2026年9月23日に取得して書き写したものです。読んだページは会社ごとに違います。みんなのFXは「ロスカットについて」の公式ページ、 DMM FXは「ロスカットとは?」の公式ページ、松井証券は「FX 取引ルール」の公式ページ、 外為オンラインは「取引要綱(個人のお客様)」、ヒロセ通商は「取引要綱(LION FX)」を読みました (いずれも2026-09-23取得)。

表の並びは会社名の五十音順です(英字で始まる社名は後ろ)。水準の低い順ではありません。当サイトが数値の順に並べるのは、算出方法で宣言した指標だけです。 表に出てくる「証拠金維持率」「有効比率」「有効証拠金」などは、各社が自社のページで使っている語を そのまま写しました。呼び名の違いは、表の次の節でまとめて説明します。

会社公式が書いている執行の条件水準を選べるか(当サイトが読んだページの範囲)当サイトが読んだ日
外為オンラインコースで分かれる。L25Rコース=有効証拠金が取引証拠金の100%を下回る/L25コース=20%を下回る。L25コースにはもう1つ、毎営業日の証拠金判定時刻に有効証拠金が取引証拠金を下回っていれば全ポジションを決済する、という定めがあるコースの選択で決まる2026-09-23
外為どっとコム有効比率が、自分で設定したロスカットレベルを下回る(初期設定は100%)。これとは別に、1営業日1回の判定時間には、設定に関わらず有効比率が100%を下回っていれば執行選べる(100%〜50%・10%刻み)。ただしポジションや未約定注文があるときは、いまの設定より高い値へは変更できない2026-09-23
ヒロセ通商有効比率が100%を割り込む(有効証拠金が必要証拠金を下回った状態)当サイトが読んだページには、選べるという記載なし2026-09-23
松井証券リアルタイム維持率が、自分で選んだロスカット率を下回る必ず選ぶ(個人口座は50%・60%・70%・80%・90%の5つ)2026-09-23
みんなのFX証拠金維持率が100%以下当サイトが読んだページには、選べるという記載なし2026-09-23
楽天証券証拠金維持率が、自分で設定したロスカット水準を下回る(口座開設時はスタンダード25倍コース・50%)選べる(レバレッジコースにより20%〜95%・5%刻み)2026-09-23
DMM FX証拠金維持率が50%以下当サイトが読んだページには、選べるという記載なし2026-09-23
GMO外貨証拠金維持率が50%未満当サイトが読んだページには、選べるという記載なし2026-09-23
GMOクリック証券証拠金維持率が50%を下回る(同社はこれを「時価評価総額が取引金額の2%に相当する日本円額を下回った場合」とも書いている)当サイトが読んだページには、選べるという記載なし2026-09-23
SBI FXトレード証拠金維持率が50%を下回る(判定は原則20秒ごと)当サイトが読んだページには、選べるという記載なし2026-09-23

「当サイトが読んだページには、選べるという記載なし」は、「そういう機能が無い」ではありません。公式サイトの別のページに書かれている可能性があります。ここに書いたのは、当サイトが 表の日付に読んだページの記載だけです。読んだページの種類も会社ごとに違います (ロスカットの専用ページ・取引ルールの一覧・取引要綱など)。

また、数字が小さい会社ほど安全、という読み方はできません。理由は次の節に書きます。

「50%」と「100%」は、同じ物差しの上の数字ではない

表には50%と100%が並んでいますが、この2つを同じ物差しで比べることは、 公表文からはできません。理由が2つあります。

1つ目は呼び名が違うことです。証拠金維持率(みんなのFX・DMM FX・GMO外貨・ GMOクリック証券・SBI FXトレード・楽天証券)、有効比率(ヒロセ通商・外為どっとコム)、 リアルタイム維持率(松井証券)と、会社ごとに別の語が使われています。 当サイトはこの3つを1つの語へ言い換えません。同じ量を指すとは、各社の公表文からは決められないからです。

2つ目は計算式が一致しないことです。当サイトが読んだページから、4社の式を並べます。

  • みんなのFX —「証拠金維持率(%)= 純資産 ÷ 必要証拠金 × 100」
  • 楽天証券 —「純資産評価額 ÷ 必要証拠金」
  • DMM FX —「(純資産額-注文証拠金)÷ポジション必要証拠金×100」
  • 松井証券 —「(総資産-注文証拠金)÷ポジション必要証拠金×100」

どれも「口座にあるお金 ÷ 必要な預け金」の形です。ただしみんなのFXと楽天証券はそのまま割り、DMM FXと松井証券は先に注文証拠金を引いてから割ります。 注文証拠金とは、発注中の注文に充てられているお金のことです。 同じ口座残高・同じポジションでも、未約定の注文があれば表示される割合が変わります。

つまり「うちは50%です」と「うちは100%です」を並べても、50%の会社なら2倍の損失まで 耐えられる、という意味にはなりません。 確かめるなら、自分が使う会社のページで、その会社の計算式まで読む必要があります。

水準を自分で選べる会社がある

当サイトが読んだ範囲では、3社が水準の設定を案内しています。

  • 外為どっとコムは「100%〜50%(有効比率)の間で10%刻みに設定することができ、設定したレベルを有効比率が下回るとロスカットが執行されます」と書いています。初期設定は100%です。ただし、いつでも自由に動かせるわけではありません。同社は 「ポジション・未約定注文がある場合、選択できるロスカットレベルは以下の通りです」として、いまの設定より高い値へは変更できないと書いています (例として「現在の設定が50%の場合、60%~100%に変更できません」)
  • 松井証券は「『FX』では『レバレッジコース』と『ロスカット率』を必ずご指定いただいています」と書いています。個人口座のロスカット率は50%・60%・70%・80%・90%の 5つです(同じ表で法人口座は100%と書かれています)
  • 楽天証券は「口座開設時は『スタンダード25倍コース・ロスカット水準50%』が設定されています」と書いています。レバレッジコースに応じて、20%〜95%の範囲を5%刻みで設定できます

外為オンラインは、設定ではなくコースで分かれます。取引要綱に 「L25R 1万通貨コース・L25R 1,000通貨コース:有効証拠金が取引証拠金の100%を下回ると自動的にロスカットされます」「L25 1万通貨コース・L25 1,000通貨コース:有効証拠金が取引証拠金の20%を下回ると自動的にロスカットされます」と両方が書かれています。

水準を下げても、別の条件で執行されることがある

水準を選べる会社でも、設定と関係なく執行される条件を併せて書いていることが あります。外為どっとコムは、設定したレベルとは別に 「毎営業日の取引時間の終了時刻直前1時間内(ロスカット判定時間)に限り、ロスカットレベルの設定に関わらず、有効比率が100%を下回っている場合、強制的にロスカットが執行されます」と 書いています。同社はその理由も 「個人顧客を相手方とするFX取引に係る証拠金規制により、1日1回以上定める一定の時刻において、4%以上の保証金の預託を受けることが義務付けられているため」と説明しています。

水準を下げることは、強制決済を消すことではありません。外為どっとコムはさらに「ロスカットレベルを100%未満に設定すると、ロスカット判定時間まではロスカットを一時的に回避することはできますが、ロスカット判定時間までに有効比率が100%以上になっていないと、初期設定である100%時よりも損失が大きくなります」と書いています。 同社にはもう1つ定めがあります。相場の急変が見込まれる日などには 「ロスカット設定にかかわらず取引開始時刻より終日一律100%のロスカットレベルを適用する場合があります」 としています。

外為オンラインでも、表に書いた20%がいつでも効く下限とは限りません。L25コースについて、同社の取引要綱は別の項目で「L25 1万通貨コース、L25 1,000通貨コースでは、証拠金判定時刻(米国標準時間6:45、米国サマータイム5:45)におけるお客様の有効証拠金が、取引証拠金を下回った場合、お客様が保有する全てのポジションを成行注文にて決済します」と 書いています。1日1回のこの判定時刻には、20%とは別の条件が働きます。

GMOクリック証券には、ロスカットとは別に「追加証拠金」という制度があります。同社は「ニューヨーククローズ時点に時価評価総額が取引金額の4%に相当する日本円額を下回っていた場合(証拠金維持率が100%を下回った場合)追加証拠金が発生します」と書いています。 いったん発生すると、その後に維持率が100%を超えても「追加証拠金の解消とはなりません」とあります。 ロスカットとは別の制度なので、上の表には含めていません。

執行のされ方も、会社で違う

水準のほかに、当サイトが読んだページで会社ごとに分かれていたのは次の3点です。

  • ロスカット手数料— かかると書いている会社と、無料と書いている会社があります。 GMOクリック証券は「自動ロスカット手数料が発生いたします(1万通貨単位あたり税込500円。但し、ハンガリーフォリント/円と南アフリカランド/円とメキシコペソ/円は、10万通貨単位あたり税込500円)」と書いています。 SBI FXトレードは「ロスカット手数料無料」、みんなのFXは 「ロスカットになった際に手数料が発生する会社もありますが、『みんなのFX』ではロスカット手数料は無料です」と書いています。 残りの会社については、当サイトが読んだページにロスカット手数料の記載を確認していません
  • 判定の間隔— SBI FXトレードは「原則20秒ごとの各区分のレートでの判定」、 GMOクリック証券は「通常時で1分程度の間隔」と書いています。 松井証券は、リアルタイム維持率に応じて監視の周期を変えると書いています
  • ロスカット前の知らせ— 下の表のとおりです。ロスカットそのものとは別の機能で、 当サイトが記載を確認できた会社だけを載せています
会社公式が書いている、ロスカット前の知らせ
外為どっとコム有効比率が200%を下回った際にアラートメール(原則1営業日1回)
松井証券リアルタイム維持率が一定の水準を下回るとお客様サイトにお知らせを掲載(1日1回)
楽天証券プレアラートとアラートの2段階で届く(スタンダード25倍コース・ロスカット率50%の場合は100%と70%の2回)
DMM FX証拠金維持率が70%を下回るとアラートメール
GMO外貨証拠金維持率が100%未満でロスカットアラートのメール(1営業日1回)
GMOクリック証券証拠金維持率が100%を下回るとロスカットアラート
SBI FXトレード証拠金維持率が100%および60%を下回った時点でアラーム通知

2社に口座を持つと、確かめる条件も2つになる

同じ通貨ペアを、一方の会社で買い、もう一方の会社で売る形があります(異業者両建て)。 為替が動くと、どちらか一方の口座では、決済していない損がふくらんでいきます。 その口座だけが強制決済されて両建てが崩れることは、サヤ取り両建ての5大リスクで先に書きました。 証拠金が2社ぶん要ることと、含み益を一方の口座から他方へ移せないことは、両建ての証拠金で扱っています。

この記事で見たのは、強制決済が実行される水準そのものが会社ごとに違うという1点です。水準も、割合の呼び名も、計算式も、ロスカット前の知らせも、手数料の扱いも分かれていました。2社ぶんを同じルールだと思って見ていると、実際の条件とずれます。確かめるのは、2社それぞれの公式ページです。

この記録の限界

  • 当サイトはロスカットの実行を1件も観測していません。ここに書いたのは各社が公式ページに書いている条件であって、実際の執行の記録ではありません
  • ロスカットの水準で約定するとは限らない、という趣旨を書いている会社があります。DMM FXは「証拠金維持率50%を大幅に下回りロスカットが執行された場合は、お預けいただいた金額以上の損失が発生することがあります」、 みんなのFXは「預託された証拠金を上回る損失が発生する可能性もあります」、 GMOクリック証券は「ロスカットラインでの約定を保証できるものではございません」と 書いています。当サイトが読んだページで同じ趣旨を確認できたのは、この3社に 松井証券・楽天証券・外為どっとコム・GMO外貨を加えた7社です。表の数字は、損失がそこで止まる保証ではありません
  • SBI FXトレードとヒロセ通商については、当サイトが読んだページに この旨の記載を確認していません。書かれていないという意味ではなく、当サイトが読んだページには無かった、という意味です
  • 読んだページの種類は会社ごとに違います。ロスカットの専用ページがある会社と、取引ルールの一覧や取引要綱の中に1行だけある会社があり、 同じ深さまで読み比べたわけではありません
  • 会社は条件を変えることがあります。松井証券は「ロスカット標準値の変更履歴」というページを持っています。 ここに書いたのは2026年9月23日に読んだ時点の記載です
  • 法人口座・別サービスの条件は含めていません。読んだのは個人の口座についての記載で、CFDや暗号資産など別のサービスの条件は外しています
本記事は一般的な情報提供を目的としています。特定の取引の推奨・投資助言ではありません。 この記事の数値は、本文に書いた観測日にまとめて記録したものです。 当サイトの他の記事と違い、ページを作り直しても入れ替わりません。 最新の内容は必ず各社公式サイトでご確認ください。
計算ツール損益分岐日数 計算ツール

記事で見た数値を自分の条件で確かめられます。往復スプレッド費用を1日あたりのスワップ差額で割った日数(=損益分岐日数)を、計算例として表示する無料ツールです。

よくある質問

FXのロスカットは何%で執行されますか。+

会社によって違います。当サイトが記録している10社の公式ページを2026年9月23日に読んだ範囲では、執行される線として20%から100%までの記載がありました。50%と書いている会社が4社(DMM FX・GMO外貨・GMOクリック証券・SBI FXトレード)、100%と書いている会社が2社(みんなのFX・ヒロセ通商)です。外為どっとコム・松井証券・楽天証券は、利用する人が水準を選ぶ形です。外為オンラインはコースによって100%と20%に分かれます。ただし、この%が何を何で割った割合なのかは会社ごとに違うので、数字だけを並べて比べることはできません。

ロスカットの水準は自分で変えられますか。+

会社によります。当サイトが読んだ範囲で、設定できると書いていたのは3社です。外為どっとコムは100%〜50%を10%刻み、松井証券は個人口座で50%から90%までの5つから必ず指定、楽天証券はレバレッジコースにより20%〜95%を5%刻みです。外為オンラインは設定ではなく、コースの選択で水準が決まります。ただし外為どっとコムは、ポジションや未約定の注文があるときは、いまの設定より高い値へ変更できないとも書いています。残りの会社については、選べるという記載を当サイトは確認していません。「変えられない」と確認したわけではありません。

水準が低い会社なら、強制決済されにくいのですか。+

そうとは言い切れません。たしかに水準が低いほど、そこへ届くまでの距離は長くなります。ただし当サイトが読んだページには、その水準での約定を保証しない旨を書いている会社があります(DMM FX・みんなのFX・松井証券・楽天証券・外為どっとコム・GMOクリック証券・GMO外貨)。相場が急に動いたときは水準を大きく下回って執行されることがあり、預けた金額を上回る損失が生じる可能性も書かれています。外為どっとコム自身も「ロスカットレベルを100%未満に設定すると、ロスカット判定時間まではロスカットを一時的に回避することはできますが、ロスカット判定時間までに有効比率が100%以上になっていないと、初期設定である100%時よりも損失が大きくなります」と書いています。

証拠金維持率と有効比率は同じものですか。+

当サイトは、同じものとして扱っていません。会社によって呼び名が違い(証拠金維持率・有効比率・リアルタイム維持率)、計算式も一致しないからです。DMM FXは「(純資産額-注文証拠金)÷ポジション必要証拠金×100」、松井証券は「(総資産-注文証拠金)÷ポジション必要証拠金×100」と書いており、どちらも注文証拠金を先に引いています。一方でみんなのFXは「純資産÷必要証拠金×100」、楽天証券は「純資産評価額÷必要証拠金」で、引いていません。同じ「50%」でも、何を何で割った50%なのかは会社ごとに確かめる必要があります。

他のガイド記事